プラティヤハーラとは? 〜騒がしい世界で「内側」に戻るヨガ哲学〜

ヨガ哲学のやさしい入り口と、日常での実践法

ヨガはポーズや柔軟性だけではなく、「気づき」の道です。
動くこと、呼吸すること、そして“今ここ”に戻ること——。
その全てが、内面に意識を向ける練習でもあります。

その中でも、あまり知られていないけれど深い学びがあるのが、
ヨガの八支則(アシュタンガ)の一つ、**プラティヤハーラ(Pratyahara)**です。

京都・東京のNami Yoga Studioでも、この「プラティヤハーラ」の考え方は、たとえば目を閉じて呼吸を感じる時や、鏡を使わずに自分の感覚に意識を向ける時間などに、自然と取り入れられています。

📖 プラティヤハーラとは?

プラティヤハーラ(Pratyahara)は、ヨガの八支則の第5段階であり、サンスクリット語で:

  • “Prati” = ~に反して/引き戻す

  • “Ahara” = 食べ物、または五感からの刺激(情報)

つまり、五感の働きをコントロールし、外からの刺激を手放す練習です。
とはいえ「外界をシャットアウトする」という意味ではなく、

外に向きがちな意識を、そっと内側に戻す。
そんなやさしい“感覚の引き戻し”を意味します。

🌍 なぜ今、プラティヤハーラが必要なのか?

現代の生活は、とにかく“音”や“情報”にあふれています。

  • スマホの通知やSNSのスクロール

  • 絶え間ないニュースや広告

  • 騒音、人の目、眩しい画面

このような刺激に囲まれていると、私たちの神経系や心は常に外向きに働き続け、やがてこんな状態に:

  • 集中できない

  • 頭が疲れている

  • 不安やイライラが続く

  • 自分の感覚が鈍くなる

そんなとき、プラティヤハーラは「ちょっと立ち止まるための知恵」となります。
外に反応しすぎる心を、静かに内へと戻してくれるのです。

🧘‍♂️ ヨガで体験するプラティヤハーラ

Nami Yoga Studioでは、こんな瞬間にプラティヤハーラを自然に体験しています:

  • チャイルドポーズで目を閉じて、呼吸に集中するとき

  • 鏡を使わず、自分の感覚を信じて動くとき

  • 音楽や言葉に頼らず、「自分の呼吸の音」だけに耳を澄ませるとき

  • サヴァーサナでアイピローを使って、五感を鎮めるとき

このように、たった1つの深呼吸でも、私たちは「内側に戻る」体験ができるのです。

🌿 日常の中のプラティヤハーラ

実は、ヨガマットの外でも、私たちはプラティヤハーラを自然に行っています。

たとえば:

  • 通知をオフにして、1時間だけスマホを触らない

  • 音楽をかけずに、静かな散歩を楽しむ

  • 食事中にテレビやスマホを見ず、「味わう」ことに集中する

  • イライラしたとき、すぐに反応せず、呼吸を1つ置いてから話す

  • ヨガレッスンでスマホをロッカーに預ける(これも立派な実践!)

どれも、外に向いていた意識を、自分の中心に戻す小さな行動です。

🌺 「静けさに戻る」ことで得られるもの

プラティヤハーラは、単に「外の世界をシャットアウトする」ことではありません。
それは、「私は今、選べる」という感覚を取り戻すことです。

  • 反応ではなく、応答を選ぶ

  • 情報ではなく、内なる声に耳を傾ける

  • 混雑の中でも、自分の中心にいることを思い出す

そんな、静かだけど芯のある生き方を、ヨガは教えてくれます。

🌸 2分でできるプラティヤハーラ練習(初心者向け)

  1. 楽な姿勢で座る、または仰向けになる

  2. 目を閉じて、数回ゆっくりと鼻で呼吸する

  3. 呼吸の音や体が地面に触れている感覚に意識を向ける

  4. 外の音や思考が浮かんできても、それに反応せず、ただ見送る

たった2分。
でもその2分が、あなたの神経系にとっての「深呼吸」になります。

静けさの中で、私たちは本当の自分を思い出す。
それが、プラティヤハーラの知恵です。

Nami Yoga Studio(京都・東京)では、ヨガを通じてこの「内側に戻る」感覚を、ゆっくりと育てていきます。
にぎやかな日常の中でも、自分の中心に立ち返る場所を見つけてみませんか?

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