Nami Yoga Studioに鏡がない理由

内側に意識を向けること、身体感覚を育むこと、そしてヨガの本質とは

京都・東京のNami Yoga Studioに来てくださった方は、すぐに気づくかもしれません。
スタジオ内に鏡がありません。

これはインテリアの都合ではなく、意図的な選択です。

日常生活では、外見を気にしたり、人と比べたり、自分を外から眺めることが当たり前になっています。
でもヨガの時間だけは、外ではなく「内側」に意識を向ける時間であってほしい。
そんな想いから、私たちは「鏡のない空間」をつくりました。

🧘‍♀️ ヨガは「見ること」ではなく「感じること」

古典ヨガの経典『ヨーガ・スートラ』では、ヨガの目的は「身体能力の向上」や「見た目」ではなく、心の静けさと内なる気づきにあるとされています。

スートラ1章2節にはこう記されています:

「ヨーガとは、心の動きを止めることである(Yoga chitta vritti nirodhah)」

つまり、ヨガとは自分の内側を静かに観察する練習なのです。

鏡があると、私たちの意識は無意識に「外」に引っ張られます。
ポーズの正確さや見た目ばかりが気になり、

「私は今、このポーズの中でどう感じているか?」
という本来の問いかけが薄れてしまうのです。

Nami Yoga Studioでは、ヨガをパフォーマンスではなく、体験として深めてほしいと考えています。
そのため、鏡を置いていないのです。

🔁 “見る”から“感じる”へ

鏡のない練習によって、こんな変化が生まれます:

  • ポーズの正しさを「感覚」で理解できるようになる

  • 自分の内側(呼吸、筋肉、エネルギー)に意識を向けられる

  • 他人と比べる癖が減り、自分に優しくなれる

  • 集中力が高まり、心が今ここにとどまる

多くの生徒さんからも、「鏡がない方が落ち着いて集中できる」「自分の感覚に自信が持てるようになった」という声をいただいています。

🪷 正しいかどうかを決めるのは「鏡」ではない

「鏡がないと、正しくできているか不安…」と思う方もいるかもしれません。
でもご安心ください。Nami Yoga Studioでは:

  • 経験豊富なインストラクターが丁寧な言葉の誘導と必要に応じたアジャスト(調整)を行います

  • ポーズの完成形ではなく、過程を大切にする指導を行います

  • プロップ(補助具)を活用し、自分の身体に合ったアライメントを体験できます

ヨガは、「先生の形」や「鏡の中の自分」に合わせるのではなく、自分の身体と心の声に寄り添う練習です。

🧘‍♂️ 鏡のない空間は、瞑想のような場になる

鏡がないことで、マットの上が静かな内観の場=瞑想のような空間になります。

  • ポーズの中で呼吸の変化に気づける

  • 微細なバランスの揺らぎを感じ取れる

  • 感情や思考の動きにも優しく気づける

これは、ヨガ哲学におけるプラティヤハーラ(感覚の制御・内向きの集中)にもつながり、より深い瞑想状態へと導いてくれます。

🌊 日本文化にも通じる「静かさ」と「内面の美」

日本の伝統文化——茶道(さどう)・華道(かどう)・書道(しょどう)など——には、「外見の派手さ」ではなく、「所作の静けさ」や「内なる品格」を重んじる美意識があります。

私たちは、ヨガも同じように、内面を整え、美しさを育む行為だと考えています。

鏡のないスタジオでの練習は、見せるためではなく、自分とつながるための時間
それが、Nami Yoga Studioの願いです。

🌸 「こう見えたい」ではなく、「こう感じたい」へ

鏡のない空間では、「どう見えているか」を手放し、
「どう感じているか」に正直になれます。

ヨガは、外から評価されるものではなく、
内側から豊かになっていくもの。

🌿 本当の“鏡”は、あなたの身体そのもの。
呼吸と感覚こそが、今のあなたを映し出しています。

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